【桜川市】高峯の山桜

たかみね。標高519m。他の山と比較すると、高峯はヤマザクラとカスミザクラ、その他の落葉樹、常緑樹の配分のバランスがいいように感じます。それと稜線のボコボコ感により、風景に立体性が生まれています。赤茶色の木は花が散って葉芽だけになったヤマザクラです。ヤマザクラの開花時期は個体差がある為、例えば、蕾、五分咲き、満開、五分散り、葉桜のヤマザクラが混在する風景となります。これが「遠山桜」という観桜の魅力でしょう。「早桜」と「遅桜」が鍵になってくるのです。

また、遠山桜におけるヤマザクラは、密集率が高ければいいってものでもなくて、新緑や常緑樹とのバランスも大事な要素です。さらに高峯は、ヤマザクラの後に満開を迎えるカスミザクラの量が豊富という特徴もあり、これがかなり重要で、ヤマザクラを人が植えてきた吉野山との最大の違いであります。暮らしが側にある山の桜風景。茨城県の宝です。

麓から一目で展望できる範囲を考えると、標高500mぐらいの山が理想的。
民家や田畑が身近にあり、箱庭のような空間。山の桜が咲き、農作業がはじまる、当たり前の風景。筑波連山はまさにそれです。

非常に早いタイミングで高峯と雨巻山の遠山桜に注目し、名所化をしながら発信してこられた桜川の方々に敬意を表します。